第14回オーライ!ニッポン大賞 グランプリ(内閣総理大臣賞)を受賞しました。

トチギ環境未来基地が第14回オーライ!ニッポン大賞グランプリに選出

されました。

http://www.kouryu.or.jp/ohrai/20170220ohrai.html

 

2009年の設立以降継続して取り組んでまいりました、

若者のチームによる長期間滞在型の環境保全プログラム(Conservation Corps)を

評価いただいての受賞です。

 

・人は入れ替わっても、いつでも若者が地域にいて活動できるシステムをつくる

 

過疎化や高齢化により人手不足となった地域では、これまで維持されてきた

里山や森林をそこに暮らす人だけでは維持することが難しくなってきました。

また、利用が減りそもそも整備をする動機を失ってしまっている里山や森林も

多くあります。

 

しかし、私たちの暮らしにかけがえのない恩恵をもたらしてくれるこのような

環境を市民の力で、特にこれからの社会を担う若い人たちの力で維持していける

仕組みをつくりたい、そのためには週末を利用したボランティア活動ではなく、

ある程度の活動期間じっくりと活動に取り組めるプログラムをつくることが

大切だと考えました。

 

そのモデルとなるプログラムをアメリカで見つけました。

アメリカの若者たちが9ヶ月から1年間チームをつくり、環境保全活動に取り組む

Conservation Corpsというプログラムです。年間約25,000人もの若者が参加する

大きな活動です。

 

大学を卒業した年に実際にこのプログラムに6ヶ月間参加してみました。

最初は技術や知識のない若者たちでも長期間活動するとやはりできることが増え、

活動の質も高まっていく。植林も、自然公園づくりも、

自然道づくりも質の高い成果を残すことができるようになる。

一方で、このプログラムに参加する若者たちは、自分自身の生き方やキャリアを

見つめながら日々の活動から、机の上だけでは学べない実感を伴った学びや経験を

重ねていく。自然環境を守るための力としても、若者が成長する場としても、

すばらしいプログラムでした。

 

これは日本でも必ず役に立つプログラムだと確信し、日本版のモデルとして

若者のチームによる長期間滞在型の環境保全プログラムを確立することを目指し

2009年にトチギ環境未来基地を設立しました。

 

試行錯誤を続けながらこれまで3ヶ月間のプログラムを15回開催することが

できました。国内外61名の若者がプログラムに参加してくれました。

スタッフとともに、毎日毎日森の現場にいき整備活動を行ってきました。

そして、その若者たちが中心となって若者自立支援団体の若者たちとの森づくり、

企業ボランティアの受け入れ、大学生グループ、親子プログラムの開催など、

たくさんの人たちが森の活動に参加できる機会もつくってきました。

現在では、年間活動日数250日、延べ参加者数3,000人程度という活動が

できるようになりました。プログラム修了後、NPOに就労した人は21人になり

それぞれの目指す道の、一つのステップの機会としてもある程度機能できたと思います。

 

若者達の、地道だけれど大切なこの活動にオーライ!ニッポン大賞という

評価をいただきましたことを大変うれしく思います。

 

1回~15回まで一緒に生活をしながら暑い夏でも、雪の降る中でも

コツコツと活動を続けたメンバーの力で成しえたことだと改めて思います。

ともに活動した全てのメンバーに感謝いたします。

また、共にプログラムを実施してきましたNPO法人NICEをはじめ、

地域のパートナーの団体、住民の方々、

ご寄付等で支援いただいた皆様にも感謝いたします。

 

まだ道は半ばです。さらに安定的に運営していけるためには

まだまだ工夫が必要です。また、他の地域への展開を図っていくためには

一層の努力が必要です。アメリカのプログラムのように、

このプログラムをやり遂げると給付型の

奨学金を得ることができるという仕組みをつくることもいまだ実現できていません。

 

引き続きプログラムをコツコツと継続していきながら、

若者たちが未来を自らの手でつくっていく、その一つの機会としての

可能性を広げていきたいと思います。

引き続きのご支援よろしくお願いいたします。

 

                         NPO法人トチギ環境未来基地

             理事長 塚本 竜也